カトリック教徒の多いスペイン語圏では、クリスマスの飾りとして、ナシミエント(nacimiento 誕生)あるいはベレン(belén [地名]ベツレヘム)、ペセブレ(pesebre 家畜小屋)など(1)と呼ばれるキリスト生誕を人形で再現した場面が教会や町の広場などで飾られる。本格的な等身大の人形が飾られているところもある。赤子イエス(Jesús)、聖母マリア(María)、ナザレのヨセフ(José de Nazaret)が必須の人形で、それに牛や馬や羊、それに東方の三博士(los Reyes Magos de Oriente メルチョール、ガスパール、バルタサール)と天使、場合によってはその他の村人の人形で構成されている。メルチョール(Melchor)はヨーロッパ人、ガスパール(Gaspar)はアジア人、バルタサール(Baltasar)はアフリカ人として表現されることがある。キリストが生まれたであろう中近東の風景・風俗のセットのものと、作成された国・地域らしい場面・服装を表現したものとがある。キリストに贈り物を持って来たとされる1月6日の「三博士の日」(El Día de los Reyes Magos)(公現祭 Epifanía)にも、子供がプレゼントをもらったりしてお祝いをする(2)ため、この日が過ぎるまで飾られる。旅行の記念に買って来た各国のキリスト生誕飾りを(聖家族像も含め)写真で紹介する。ナシミエントを捜し選ぶのは妻で、持ち運びの負担にならないようできるだけ小さなセットを求めてきている。
ガラパゴス諸島サンタクルス島民芸品店(ホテルの斜め前にあった)で。
後方の5体は、アンデス地域の悪魔踊りの衣装を着た人形。赤子イエスと民族衣装の聖母マリアとヨセフがセットで、他に、牛や羊などを含む人形たちの中からさらに4体を選ぶようにということであったが、サービスで5体を選ばせてくれた。ありきたりの牛や羊ではつまらないからとエクアドルでしか買えない人形ばかりにしたため、ユニークすぎるナシミエントになってしまった。
このように選べたのはこの時のみで、普通はセットで購入し、選択肢はあって色ぐらいである。クリスマスの前ならともかく、普段は探し出すのが一苦労であった。2017年6月
キト市新市街にある民芸品市場で。2017年6月
キト市新市街の民芸品市場で。木製。2017年6月
キト市新市街エル・エヒード公園内の屋台にて。2017年6月
アンデスの毛織帽(chullo)を被ったヨセフはサンポーニャを吹き、山高帽を被ったマリアは羊を抱いている。ティワナクのレストラン内にて購入。 2017年4月
バターリャ修道院(Mosteiro da Batalha 正式名はMosteiro de Santa Maria da Vitória)のミュージアムショップにて購入。石とガラス製。2017年2月(ポルトガル語はスペイン語と姉妹言語でよく似ている。)
セブ・シティ、ショッピングセンター内デパートにて購入。 貝殻と針金細工。2016年9月(セブ・シティは16世紀にスペインがアジアで最初に拠点を置いた地)
セブ・シティ、ショッピングセンター内の聖具店にて。2016年9月
サン・フアンの土産物店で購入。ヤシの実の加工品。2016年5月
ドミニカ共和国の人形は、キリスト生誕の飾りに限らず、人種が多様な社会として差別撲滅のため目鼻口など顔が表されない。サント・ドミンゴ市内土産物店にて購入。2015年10月
グアテマラ市空港内売店にて。2013年2月
スペイン語圏ではなく、またカトリック教徒より正教会の信者が多数を占めるようだが、ブラン城内土産物店で売っていた。2010年4月
メキシコ市の民芸品市場にて。1990年8月
マドリードのスーパーマーケットで。聖家族のセット、東方の三博士とラクダと御者のセット、村人たちのセット等で別々に購入。1984年11月~12月