1) -o で終わる多くの語は男性名詞、-a で終わる多くの語は女性名詞:
el cielo(m. 空、天)、la tierra(f. 地面、土、地球)
例外もある: el mapa(m. 地図)、la foto(f. 写真)、la mano(f. 手)など
2) おおむね、男・雄を表す語は男性名詞、女・雌を表す語は女性名詞:
el chico(m. 男の子), la chica(f. 女の子)
例外もある。la persona(f. 人・人物)、la víctima(f. 犠牲者)など
3) 動物を表す語には、男女どちらかの語形しかないものがある:
avestruz(m. ダチョウ)、rana(f. カエル)など
この場合、雌雄を示すには、macho(雄)、hembra(雌)の語で表現する: el cocodrilo hembra 雌のワニ、la ardilla macho 雄のリス
4) 男女区別する語形があっても性を意識しないで言及する時、代表的な(性の)形を使うものがある:
perro(m. 犬、perraもある)、oveja(f. 羊、雄の羊には corneroがある)など
5) 無生物は、語を覚えるのと同時に性も覚えていくのが効率的。
語尾(接尾辞)で性がわかる語がいくつかある: -aje, -or などの語尾を持つ多くの語は男性名詞。-dad, -ción, -sión などの語尾を持つ語は女性名詞。
1) 母音で終わる語には-s、子音で終わる語には-esを付ける。
例: estudiante(m.f. 学生) -> estudiantes, señor(m. 男の人) -> señores
2) 外来語、名詞化した副詞などでこれらの例外がある: no(否定の返事) -> noes, mamut(マンモス) -> mamuts
3) アクセントのある-í, -úで終わる語は -esを付けることが多い: bisturíes ~ bisturís(手術で使うメス), tabúes ~ tabús(タブー)
4) 最後の音節にアクセントが無く、-s で終わる語は、単複同形(単数形と複数形が同じ語形)である。
el viernes(金曜日に) -> los viernes(毎金曜日)
5) 発音上の語アクセントの位置は、ほとんどの語で -es をつけても変わらない。アクセントを綴りで表すためには、語尾に-es をつけ一音節増えた形で、再度アクセント符号の規則を適用させてみると、単数形の場合とで、符号をつける、つけないが異なってくるものがある。
examen(m. 試験) -> exámenes, canción(f. 歌) -> canciones
6) 一部の語で単数と複数とでアクセントの位置が異なるるものがあるが、それらは個別に覚える必要がある:
carácter(m. 性格) -> caracteres, espécimen(m. 見本) -> especímenes, régimen(m. 体制) -> regímenes
7) スペイン語では、普通 ze の綴りは使わず、ce に変えるので、-z で終わる語を複数形にすると -zes でなく、-ces の語尾とする。
una vez(一度) -> dos veces(二度)
名詞の複数形で、例えば、padres は「父親たち」(padre + padre ..)の意味の時と、「両親」(padre + madre)の意味の場合、そして「両親たち」(padres + madres)の場合とがある。madres は「母親たち」の意味である。
Las Madres de Plaza de Mayo 5月広場の母親たち(アルゼンチンの軍事独裁(1976-1983)下、行方不明となった子や身内の消息を求めて、政権による人権抑圧に抗議活動をした母親たち(とその支持者)による1977年以降の運動・集まりのこと)
reyesは、「国王と女王(王妃)」を表す場合と、「王たち」、それに「王たちと女王(王妃)たち」を表す場合がある。
Reyes Católicos カトリック両王、カスティリャ女王イサベルI世(Isabel de Castilla, 在位1474-1504)とアラゴン王フェルナンド2世(Fernando de Aragón 在位1479-1526)の2人のこと
los tres Reyes Magos 東方の三博士(直訳は3人のマギの王たち、東方の聖者が星に導かれてキリスト誕生の所に来て、贈り物を捧げ礼拝したことにちなみ、スペインなどでは毎年1月5日の夕方にパレード(Cabalgata de los Reyes Magos)が行われ、その夜子供たちはプレゼントを貰う。)
単数形 | 複数形 | |
1人称 | yo | nosotros, nosotras |
2人称 | tú | vosotros, vosotras |
あなた様 3人称扱い | usted | ustedes |
3人称 | él, ella | ellos, ellas |
多くの場合、動詞の活用形で主語が分かるので、人称代名詞主格形は、主語を強調する場合や敬称のusted(あなた様), ustedes(あなた方)を言うことで言葉を丁寧にする場合以外はあまり用いられない。
人称代名詞複数形の意味を考える。
1) yo(私)が含まれる場合は、他に誰が含まれようと、nosotros(私たち)となる。女性ばかりだったら nosotras(私たち)となる。ただ口語では女性ばかりでも nosotros の語形が使われることも多い。
2) yo(私)が含まれず、tú(君)が含まれる場合は、他に誰が含まれようと、スペインでは、vosotros(君たち)、女性ばかりだったら vosotras(君たち)、中南米ではustedes(君たち、あなた方)を使う。
3) yo(私)が含まれず、usted(あなた)が含まれる場合は、他に誰が含まれようと、ustedes(あなた方)を使う。
4) yo(私)、tú(君)、usted(あなた)のいずれも含まれない場合は、ellos(彼ら)、女性ばかりだったら ellas(彼女ら)を使う。
以上は、目的格や所有形容詞の場合も同様に考えることができる。
単数形 | 複数形 | |
男性形 | el | los |
女性形 | la | las |
アクセントのある a-, ha- で始まる女性単数名詞の直前では el を使う: el agua(f. 水), el haba(f. ソラマメ)
I. (例) nariz(f. 鼻)単数形 | 複数形 | |
男性形 | un | unos |
女性形 | una | unas |
un, una は「1つの」という意味、あるいは「ある~」という意味で使われる。普通は和訳する必要がない。unos, unas は「いくつかの」、数詞の前で「およそ」という意味を持つ。ペアの意味での複数形で使うzapatos(靴)のような名詞の前での unos は、「何足かの」ではなく、「1足の」の意味の場合がある。
形容詞の語形変化
1) 修飾する名詞が複数形なら形容詞も複数形にする。
複数形の作り方は名詞と同じ。
直接修飾する場合も、動詞を介して修飾・説明する場合も同様。
2) -o で終わる語は、さらに、性も語尾変化させ名詞と一致させる。(男性 -o 女性 -a)
3) -o 以外で終わっていても国名や民族名形容詞の多くは性の語尾変化もある。名詞としてもよく使われる。
4) 他に派生語尾がついて形容詞となったもので男女の形があるものがある。
hablador, -ra(a. おしゃべりの < hablar 話す), preguntón, -na(a. 質問好きの < preguntar 質問する), grandote, -ta(a. おっきい < grande(a. 大きい)+接尾辞)
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現在のアメリカ合衆国南西部は、旧大陸からは最初にスペイン人が来ていて、当初メキシコ領であったこともあり、スペイン語地名が多くある)
近称 | 中称 | 遠称 | ||||
単数 | 複数 | 単数 | 複数 | 単数 | 複数 | |
この ⁄ これ | これらの ⁄ これら | その ⁄ それ | それらの ⁄ それら | あの ⁄ あれ | あれらの ⁄ あれら | |
男性形 | este | estos | ese | esos | aquel | aqullos |
女性形 | esta | estas | esa | esas | aquella | aqullas |
「〜形容詞」と名がついているので、他の形容詞と同じく、それぞれ指示する名詞の数、性にあわせて語形が決まっている。指示代名詞も指し示す物の名詞の性数に応じた語形を使う。指し示す名詞が女性名詞ばかりなら女性複数形、男性名詞が混じれば男性複数形を使う。以前の正書法では、指示代名詞にはアクセント符号を付けて、指示形容詞と区別されていた: este(この) : éste(これ)。現在の2010年正書法では、両者は区別されない: este(この ⁄ これ)。和訳するには両者を区別する必要がある。
I. (例) clase (f. クラス、学級)所有者が | 単数 | 複数 | ||
所有されるものが | 単数 | 複数 | 単数男性,-女性 | 複数男性,-女性 |
1人称 | mi | mis | nuestro, -tra | nuestros, -tras |
2人称 | tu | tus | vuestro, -tra | vuestros, -tras |
3人称 あなた様 | su | sus | su | sus |
所有者が | 単数 | 複数 | ||
所有されるものが | 単数男性,-女性 | 複数男性,-女性 | 単数男性,-女性 | 複数男性,-女性 |
1人称 | mío, -a | míos, -as | nuestro, -tra | nuestros, -tras |
2人称 | tuyo, -ya | tuyos, -yas | vuestro, -tra | vuestros, -tras |
3人称 あなた様 | suyo, -ya | suyos, -yas | suyo, -ya | suyos, -yas |
1) 「〜形容詞」と名がついているので、他の形容詞と同じく、関係する名詞の性数によって形容詞と同じ語尾変化する。
すなわち -o で終わる語(mío, tuyo, suyo, nuestro, vuestro)は、性・数変化、それ以外(mi, tu, su)は、数変化する。
2) 名詞の前で、mi, tu, su, nuestro, vuestro という語形を使う。
3) 冠詞、数詞、指示形容詞が名詞の前にあると、名詞の後で mío, tuyo, suyo, nuestro, vuestro の語形を使う。
4) mío, tuyo, suyo, nuestro, vuestro の語形は、動詞 ser と使って、「--は〜(誰々)のです。」
所有形容詞完全形の前に定冠詞を置き、「〜のもの」の意味で使う。
el mío, la mía, los míos, las mías: 「私のもの」
el tuyo, la tuya, los tuyos, las tuyas: 「あなたのもの」「君のもの」
el suyo, la suya, los suyos, las suyas: 「彼(女)(ら)のもの」「あなた(方)のもの」
el nuestro, la nuestra, los nuestros, las nuestras: 「私たちのもの」
el vuestro, la vuestra, los vuestros, las vuestras: 「あなたたちのもの」「君たちのもの」
他にも por「~によって」「~のあたりを」、sobre「~の上に」、bajo「~の下に」、sin「~なしに」、según「~によって」、menos「~を除いて」、desde「~から」、hasta「~まで」、hacia「~に向けて」、entre「~の間に」、durante「~の間」などがある。
単数形 | 複数形 | |
1人称 | me | nos |
2人称 | te | os |
3人称 あなた様 | lo (le), la | los, las |
● 人称代名詞直接目的格 me, te, lo(スペインではle), la, nos, os, los, las は、活用した動詞の前に置く。
(肯定命令、それに活用していない動詞(不定詞、現在分詞)では動詞の後ろに付ける。)
● 否定文では、さらにその前に no が来る。
● usted, ustedes は、話し相手を意味するが、いつも三人称の代名詞(lo / le, la, los, las)を使う。
● 直接目的語は、「~を」といった意味を持つ。
日本語動詞との違いで「~に」と訳す場合もある。No veo a Teresa. 私はテレサに会わない。
単数形 | 複数形 | |
1人称 | me | nos |
2人称 | te | os |
3人称 あなた様 | le | les |
● 人称代名詞間接目的格 me, te, le, nos, os, les は、活用した動詞の前に置く。
(肯定命令、それに活用していない動詞(不定詞、現在分詞)では動詞の後ろに付ける。)
● 否定文では、さらにその前に no が来る。
● usted, ustedesは、話し相手を意味するが、いつも三人称の代名詞(le, les)を使う。
● 間接目的語は、「~に」「~へ」などと訳し、
ー 動詞の動作の方向、対象を表す。
Mi padre me da un regalo. 父は私に贈り物をくれる。
ー 動詞の行為の影響を受ける人物を表す。
La madre le lava la cara a su hijo. そのお母さんは子どもの顔を洗ってやる。(le「彼に」と a su hijo「子どもに」とは重複して表現されている)
ー 分離の元「~から」を表す。Compro el libro a mi amigo. 私は友達からその本を買う。
● 間接目的格代名詞と直接目的格代名詞の両方を一文で使うときは、間接+直接の順番で使う。動詞の前でも、不定詞・現在分詞・肯定命令につけた時も同様。
El señor me lo da. その男の人は私にそれをくれる。
El señor quiere dármelo. その男の人はそれを私にくれたがっている。
● 間接目的格代名詞と直接目的格代名詞の両方が3人称の場合、間接目的格は、se という語形になる。
El profesor se las manda. 先生は彼にそれらを送る。
El profesor quiere mandárselas. 先生は彼にそれらを送りたがっている。
単数形 | 複数形 | |
1人称 | mí | nosotros, nosotras |
2人称 | ti | vosotros, vosotras |
あなた様 | usted | ustedes |
3人称 | él, ella | ellos, ellas |
「再帰代名詞」とは、主語として現れた人・物が同一文中に目的語として再び帰ってきたものを表す代名詞だから、主語と同じ人称、数の語形を使う。3人称のみ独自の形を持つ。
再帰代名詞目的格
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再帰代名詞前置詞格
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● 中南米では、vosotros, vosotras を使わないので、os も使わない。
● 前置詞格 sí は、前置詞 con と使われる時は、consigo となる。
2020/9/2. | © 2020 HOTTA Hideo |