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『スペイン語文法項目別ドリル問題集』解説 
堀田英夫 

第1章 文字と発音

p.2-p.3

1-1 [アルファベット]

 アルファベット読みは、外国人の名前を聞いて書き取るため、あるいは自分の名を書き取ってもらうために知っている必要がある。I.の練習は、文字の名を言えることを要求しているだけではあるが、それぞれ略号として意味があるものをあげている。
 略号には、この問題にあるもののように文字ごとに発音するものと、ONU (Organización de los Naciones Unidos 国際連合)の[ónu]のように、語と同じように発音するものとがある。以下は、各略号の代表的な意味を添えた。
I.
(例) CPU
 英語 Central Processing Unit コンピュタの中央処理装置。
(1) OIT
 Organización Internacional del Trabajo. 国際労働機関(英語略称 ILO)。
(2) EGB
 Educación General Básico. 一般基礎教育。チリ、コスタリカなど現行の、またスペインなどかつての初等学校教育制度の名。
(3) UE
 Unión Europea、欧州連合。1993年11月1日にCE(Comunidad Europea 欧州共同体)を元に正式発足(英語略称EU)。
(4) DNI
 Documento Nacional de Identidad. (スペイン、アルゼンチン、ペルーでの)身分証明書。
(5) FMI
 Fondo Monetario Internacional. 国際通貨基金(英語略称IMF)。

1-2 [発音]

I.
以下、スペイン語単語の後ろ( )に和訳の1例をあげた。和訳の前の m. は男性名詞、f. は女性名詞、a. は形容詞であることを示す。これら以外の品詞は表記していない。
(例) burro(m. ロバ), (a) vaca(f. ウシ), (b) nada(何も~ない), (c) papel(m. 紙)
 b と v が同じ音。
(1) tierra (f. 土地), (a) cara(f. 顔), (b) radio(f. ラジオ), (c) sala(f. 広間)
 r が rr と2つ並んだ時と語頭で / ř /、それ以外で / r /。
(2) general(a. 全般的な), (a) fecha(f. 日付), (b) guerra(f. 戦争), (c) traje(m. 服)
 g が直後に e, i があると j と同じ / x / (喉の奥から息を出す音)、それ以外は、/ g /。
(3) lengua(f. 言語、舌), (a) cuatro(四), (b) guitarra(f. ギター), (c) pequeño(a. 小さい)
 u は、gue, gui, que, quiの時、/ u /(ウの発音)にはならず、前の子音が/ g /、/ k / の音であることを示す働きをしている。それ以外は、/ u /。
(4) cena(f. 夕食), (a) nariz(f. 鼻), (b) lección(f. 授業、課), (c) leche(f. ミルク)
 c は、後ろに e、i があると /θ/(中南米では /s/)、h があると ch で /t∫/。これら以外では / k / の音。z は /θ/(中南米では /s/)である。
(5) ahora(今), (a) trabajo(m. 仕事), (b) afortunado(a. 幸運な), (c) bacalao(m. タラ、鱈)
 h は、ch /t∫/ の場合以外はいつも無音。j は / x / (喉の奥から息を出す音)、f は / f /の音。

1-3 [アクセント]

I.
  1) 母音、n、s で終わる語は、後ろから2つ目の母音にアクセントがくる。
  2) n、s 以外の子音で終わる語は、一番後ろの母音にアクセントがくる。
  3) i, u が他の母音と連なっている時(例: cambio, gracias, lengua の語末の io, ia, ua など)は二重母音なので、一つの母音(=音節)と数える。
  4) これらの規則に合わない場所にアクセントがある場合は、そのアクセントのある母音にアクセント符号をうつ。
 なおスペイン語ではアクセント符号も綴りに含まれるているので、そのあるなし、ある場合、位置も含めて覚える必要がある。
(例) catorce(十四)
(1) zapatos(m. 靴), (2) amor(m. 愛), (3) página(f. ページ), (4) cambio(m. 交換、変化),
(5) papel(m. 紙), (6) ciudad(f. 都市), (7) restaurante(m. レストラン), (8) joven(a. 若い),
(9) derecho(a. まっすぐな、右の), (10) gracias(ありがとう)

1-4 [音節]

I.
  発音し得る最少単位は音節であり、ひとつの音節はひとかたまりに発音され、筆記の場合一つの単語の途中で改行するなら、音節の区切りで改行しなければならないため、音節の分かれ目を知っている必要がある。
  1) 1つの母音が1つの音節の核となる。
  2) 母音間に子音が1つある時は後ろの母音の音節につく。
  3) 子音が2つある時は、1つは前、1つは後の音節につく。
  4) 子音が3つある時は、2つは前、1つは後の音節につく。
  5) ただし、二重子音: pl, pr, bl, br, fl, fr, tr, dr, cl, cr, gl, gr, メキシコでナワトル語起源語のtl、およびアクセント符号のついていない i, u ともう一つ以上の母音が並んだ二重母音、三重母音は、それぞれ一つの子音、一つの母音と数える。
  6) 接頭辞がある語や合成語は、筆記上構成要素の間で音節の区切りとすることもある。
(例) problema(m. 問題), (1) domingo(m. 日曜日), (2) martes(m. 火曜日), (3) instantáneo(a. 即席の), (4) completo(a. 完全な), (5) madre(f. 母親)

【1-1.~1-4. 補足問題】

1.
(1) paraguas(m. 傘); (a) aquí(ここ), (b) portugués(m. ポルトガル人), (c) luego(後で)
(2) hotel(m. ホテル); (a) muchacho(m. 男の子), (b) otoño,(m. 秋) (c) ojo(m. 目)
(3) página(f. ページ); (a) vergüenza(f. 恥), (b) juego(m. 遊び), (c) fuego(m. 火)
(4) cielo(m. 空); (a) zapatos(m. 靴), (b) ocho(八), (c) cara(f. 顔)
(5) joven(m. 若者); (a) orden(m. 順番, f. 命令), (b) escriben(彼らが書く), (c) feliz(a. 幸せな)

2.
(1) nariz(f. 鼻), (2) ahora(今), (3) lengua(f. 舌), (4) jueves(m. 木曜), (5) desayuno(m. 朝食)

3.
(1) bacalao(m. タラ), (2) gracias(ありがとう), (3) padre(m. 父親), (4) lección(f. レッスン), (5) miércoles(m. 水曜)


2020/9/2. © 2020 HOTTA Hideo
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