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Explicación 説明 9 (p.35)

[1] 点過去規則活用  直説法点過去「〜した」

(1) 「点過去」と呼ぶのは、後に学ぶ「線過去」と区別するため。
(2) 過去のある時点でしたこと、起きたことを表現する時制。
(3) 不定詞の語尾 -ar か、-er/-ir かによって語尾変化が違う。
現在形では不規則であった動詞でも、点過去形では規則変化をするものが多くある。
pensar(思う), encontrar(見つける)、volver(戻る)、entender(理解する)など。
動詞 encontrar, volver の現在形は、動詞 poder(p.19)と同じように o が ue に変化するが点過去は規則変化。
動詞 pensar, entender の現在形は、動詞 querer(p.19)と同じように e が ie に変化するが点過去は規則変化
動詞 conocer, ver の現在形は1人称単数が不規則だが、点過去は規則変化。
逆(現在形は規則で点過去で不規則)は andar(歩く)ぐらい。

[2] 点過去で綴り字に注意を要する動詞

綴り字やアクセント符号を注意すべき動詞は、発音上は規則変化
1) 母音間で i は y となる: caer
2) 一音節となる語形では、活用語尾のアクセント符号が不要となる: ver
3) 母音eの前の子音
ze => ce empezar: empecé
(ze という綴り字は伝統的には使わず、代わりに ce で表す)
[ge] => gue pagar: pagué, jugar: jugué
([ゲ]という発音は、gue という綴り字で表す)
[ke] => que sacar: saqué, buscar: busqué
([ケ]という発音は、que という綴り字で表す)

[3] 再帰動詞 (再帰代名詞+動詞)

(1) 再帰代名詞(自分自身を/に)とは、主語として現れた人・物が同一文中に目的語として再び帰ってきたものを表す代名詞。目的格代名詞と同じく、動詞の前、no の後に置き、不定詞の後に付ける。他の目的格代名詞と一緒に使われる時は、一番前の位置で使う。
(2)1,2人称は、主語と同じ人称・数なら同じ人・物とわかるので特別な語形はなく、目的格の語形を用いる。3人称は、別人・物の lo,la,los,las,le,les,(se) と区別して、同じ人・物は、se という語形を使う。間接目的格3人称の se とは語形等共通するが区別する必要がある。再帰代名詞 se は、動詞が必ず3人称、間接目的格は、すぐ後にlo,la,los,lasが必ずある。両方の条件が満たされている場合どちらとも解釈できるが、たいていは他の部分で区別できる。
(3) 再帰代名詞+他動詞=自動詞。直接目的格として使われる再帰代名詞。
Teresa la levanta. テレサは彼女を起こす。(「彼女」はテレサと別人)
Teresa se levanta. テレサは起きる(<= 自分を起こす。se「自分を」+ 動詞 levantar「起こす」=「起きる」)

acostarse(寝る=自分を寝かす)
divertirse(楽しむ=自分を楽しませる)

(4) 間接目的格の「動詞の行為の影響を受ける人物を表す」働きで間接目的格として再帰代名詞が使われる。
La madre le lava el pelo al niño. そのお母さんはその子の髪を洗ってやる。
La madre se lava el pelo. そのお母さんは自分の髪を洗う。

quitarse(脱ぐ=自分から取り除く)

(5) 相互。2人の主語が2人の目的語と同一人物の時も再帰代名詞が使われる。
Romeo ama a Julieta.  ロメオはジュリエットを愛している。
Julieta ama a Romeo.  ジュリエットはロメオを愛している。
Romeo y Julieta se aman.  ロメオとジュリエットはお互いに愛し合っている。
(再帰代名詞 se の中身は、Julieta y Romeo「ジュリエットとロメオ」で一人一人を見れば行為は交差しているが2人を集合として見れば2人の行為が2人に及んでいる。主語はいつも複数)
(6) 受身。物が主語の時、自分の意志で行為をすることはないので、その行為に第3者の力を認めて「〜される」と訳す。(主語は物・事)
Aquí se venden naranjas.
ここではオレンジが売られている。= ここでオレンジを売っている。
(7) 受身と同じような文でも主語が複数で動詞が単数の場合、物を主語と解釈できない。すなわち受身と解釈できず、「人は一般的に〜する」と無人称として解釈する。(動詞はいつも3人称単数)
Aquí se vende naranjas. ここで(人が)オレンジを売っている。

Me levanto tarde. 私は遅く起きる。
Te levantaste temprano. 君は早く起きる。
¿Cómo se llama tu hermano? - Se llama Luis.
 君の弟は何という名前ですか。−ルイスという名前です。
Me pongo el sombrero. 私は帽子をかぶる。
Nos vemos mañana. 私たちは明日(お互いに)会います。

 メキシコで、¡Nos vemos! 「また会いましょう。」という分かれるときの挨拶でも使う。


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更新日 2007年 2月22日