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Explicación 説明 2  (p.7)

[1] 人称代名詞主格

(1) 人称代名詞主格=「主語として使われる形」を学ぶ。
(2) 動詞の形で主語がわかるので、この人称代名詞主格は、usted, ustedes 以外は、強調や対比の意味がある時のみ使われる。
(3) 親しい人には tú、親しくない人には usted を使う。初対面の人(特に年上の人)には、usted を使い、親しくなってから相手の了解を得て tú で呼ぶ。学生同士、若者同士は、最初からtúを使うのが普通。usted, ustedesは敬語の意味合いがある。
(4) 中南米では vosotros, vosotras を使わず、ustedes (君たち、あなた方)を使う。(アルゼンチンや中米の一部の地域では、親しい話し相手にtúでなくvosを使う。)
(5) ここで学ぶのは主語として使われる形であるが、すぐ次にみるように動詞の形、代名詞の他の形(目的格、所有形容詞など)も一環してtúの系列にするか、ustedの系列にするかを話し相手によって使い分ける必要がある。(スペインでは tú の系列なら複数形もvosotros/vosotrasを使い、usted の系列なら複数形でも ustedes を使う)
(6) 親しい人のtú, vosotros/-as と親しくない人の usted を区別するために、文法形式としての2人称、3人称と、意味としての「話し相手」とを区別する必要がある。tú, vosotros/-as は2人称で usted は3人称。
(7) nosotros(私たち)は、一人でも男性が含まれる場合で、女性ばかりだったらnosotras(私たち)を使う。vosotros, vosotras; ellos, ellasの区別も同様。
(8) 英語の I はいつも大文字で書かれるが、スペイン語の人称代名詞はそのようなことは無い。usted, ustedes の略語: U., V., Ud., Vd., Uds, Vds. は、いつも大文字で書かれる。

[2] 動詞 ser の直説法現在

(1) 動詞 ser は、英語の be動詞と意味が、全く同じではないが、重なる動詞である。
A es B.  A = B のように、A が B と同じであることを示す。数学の = とは違い、逆の B が Aと同じとは言っていない。Bは、分類(国籍、出身地、所属団体..)、特性(形容詞の属性を持ったものとして分類)を表す。
(2) 英語のbe動詞の形が、話し手の1人称単数「私」、話し相手の2人称「君、あなた」、第3者の3人称単数「彼(女)」のうち主語がどれかによって、am, are, is と変わるのと同様に、主語によって形を変える。スペイン語は、この動詞のみならず、すべての動詞が主語の人称、数によって語尾変化する。ヨーロッパの言語の多くは、主語によって動詞の語尾変化がある。英語の一般動詞もかつては同じように語尾変化があったが、歴史的変化により、3人称単数のみ -sが付いた形として残った。
主語の人称・数の他に、時制・法によっても動詞の語尾変化がある。時制は、過去、現在、未来などの区別のこと。法とは、ものごとの表現方法の違いを示す文法範疇で、スペイン語には直説法、接続法、命令法の3つの法がある。一つの時制と法につき、1、2、3人称と単数、複数の合計6つが基本となる。
メキシコやペルー、カリブ海域などでは、2人称複数形を使用しないので、学習目的がこれらの地域のスペイン語を習得するというように限定されているのならser動詞の活用は、soy, eres, es, somos, sonの5つの語形のみを学べばよい。アルゼンチンや中米の一部地域では、親しい話し相手(単数)の主語 vos には、sos という形(歴史的には2人称複数形 sois という語形から変化して形成された)を使う。
(3) 訳読練習の時には、主語が語として表現されていない文でも動詞語尾から主語を読みとり、日本語としては不自然だが「〜は/が、〜する」と訳して、いつも主語を意識する必要がある。学習が進んで複雑な文章を理解するにはそれぞれの文で主語が誰かがわかっている必要がある。

[3] 定冠詞と不定冠詞

(1) 一度話題にのぼったものや、話題にしている物事が特定できるものには定冠詞をつけて表現する。英語のtheに相当する。名詞の性・数によって4つの語形を使い分ける。以下の地名に定冠詞が見られる。

  • El Salvador (国名)エルサルバドル(男性単数定冠詞+救世主=イエス・キリスト)
  • La Paz (都市名)ラパス(ボリビアの事実上の首都、憲法上は Sucre. 女性単数定冠詞+平和)
  • Los Ángeles (都市名)ロサンジェルス(アメリカ合衆国。男性複数定冠詞+天使)
  • Las Vegas (都市名)ラスベガス(アメリカ合衆国。女性複数定冠詞+沃野)

el país その国、 los países それらの国々
la calle その通り(街路)、las calles それらの通り(街路)
(2) 数詞の「一、一つの」が不定冠詞としても使われる。ただし、英語のa, anのように無意味に使われるわけではない。 「一つの」または「ある〜」という意味を込めて使われる。unos, unasも同様に「いくつかの」という意味で用いられる。
un niño : 一人の男の子、ある男の子
una niña : 一人の女の子、ある女の子
unos niños : 何人かの男の子、数人の男の子
unas niñas : 何人かの女の子、数人の女の子
un país 一国/ある国、unos países いくつかの国/数カ国の国々
una calle 一本の通り/ある通り、unas calles 数本の通り/何本かの通り

[4] 疑問文と否定文

(1) 文の主語 + ser動詞(英語のbe動詞相当) + 補語、あるいは、主語 + 動詞 + 目的語の基本的な語順は英語と同じ。実際に発話される場合は、どの部分を相手により伝えたいかによって主語や目的語の位置が変わってくる。前述のように、動詞の形で主語がわかるので、人称代名詞主格は、強調や対比の意味がある時以外は表現されない。
Eres(動詞「(君は)〜です」) estudiante(補語「学生」). (動詞の形eresによって、主語が tú「君/あなた」であることがわかる。)
Usted(主語「あなたは」) es(動詞「〜です」) profesora.(補語「先生」).
(2) Sí か no で答える疑問文の場合は、イントネーションを疑問調(文末で上げる)にするのと疑問符 ¿ ? を付けるのが義務的で、時に主語と動詞の語順をひっくり返す。
Eres estudiante. 君は学生です。=> ¿Eres estudiante? 君は学生ですか。
Usted es profesora. あなたは先生です。=> ¿Es usted profesora? あなたは先生ですか。
(3) 否定文は、動詞の前に no を付ける
Soy estudiante. 私は学生です。=> No soy estudiante. 私は学生ではありません。(動詞の形soyによって、主語がyo「私」であることがわかる。)
Ustedes son argentinos. あなた方はアルゼンチン人です。=> Ustedes no son argentinos. あなた方はアルゼンチン人ではありません。
(4) 答える時、肯定文を答える時は、いつも sí、否定文を答える時はいつも no を言う。だから否定疑問文の答えでの sí、no の日本語訳は逆になる。
  ¿No eres estudiante? −No, no soy estudiante. / Sí, soy estudiante.
 君は学生ではないのか。−はい、私は学生ではありません。/いいえ、私は学生です。
(5) 疑問詞を使う疑問文では、疑問詞を文頭に置くのが普通。
quién (疑問詞)誰、dónde(疑問詞)どこ
¿Quién es usted? - Soy María. あなたは誰ですか。-私はマリアです。
¿Quién es Juan? - Soy yo. 誰がフアン/フアンはどちらですか。-僕です。
¿De dónde es usted? - Soy de Osaka. あなたはどこ出身ですか。私-は大阪出身です。

¿Es usted inglés? - No, no soy inglés. Soy español.
あなたはイギリス人ですか。-いいえ、私はイギリス人ではありません。私はスペイン人です。
Entonces usted es inglesa, ¿verdad? - No, no soy inglesa tampoco. Soy francesa.
それでは、あなたがイギリス人ですね。-いいえ、私もイギリス人ではありません。私はフランス人です。


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更新日 2009年 4月14日