『スペイン語文法項目別ドリル問題集』補足
堀田英夫
第2章 名詞類
[問題の解説] p.6-p.7
「-o で終わる語は男性名詞、-a で終わる語は女性名詞」の例外もある:el mapa(地図)、la foto(写真)
(例)comida(f. 食事、食べ物), (1) desayuno(朝食), (2) cena(夕食), (3) hombre(男、人間), (4) mujer(女), (5) mano(手)
- 発音上の語アクセントの位置は、ほとんどの語で -es をつけても変わらない。
- アクセントを綴りで表すためには、語尾に-es をつけ一音節増えた形で、再度アクセント符号の規則を適用させてみると、単数形の場合とで、符号をつける、つけないが異なってくるものがある。
examen(試験) -> exámenes, canción(歌) -> canciones
- 一部の語で単数と複数とでアクセントの位置が変わるものがあるが、それらは個別に覚える必要がある:
carácter -> caracteres
- スペイン語では、普通 ze の綴りは使わず、ce に変えるので、-z で終わる語を複数形にすると -zes でなく、-ces の語尾とする。
una vez(一度) -> dos veces(二度)
- 最後の音節にアクセントが無く、-s で終わる語は、単複同形である。
el viernes(金曜日に) -> los viernes(毎金曜日)
人称代名詞複数形の意味を考える。
- yo(私)が含まれる場合は、他に誰が含まれようと、nosotros(私たち)となる。女性ばかりだったらnosotras(私たち)を使う。
- yo(私)が含まれず、tú(君)が含まれる場合は、他に誰が含まれようと、スペインでは、vosotros(君たち)、女性ばかりだったらvosotras(君たち)、中南米ではustedes(君たち、あなた方)を使う。
- yo(私)が含まれず、usted(あなた)が含まれる場合は、他に誰が含まれようと、ustedes(あなた方)を使う。
- yo(私)、tú(君) 、usted(あなた)のいずれも含まれない場合は、ellos(彼ら)、女性ばかりだったらellas(彼女ら)を使う。
以上は、目的格や所有形容詞の場合も同様に考えることができる。
(例)nariz(f. 鼻), (1) fiesta(f. パーティー、お祭り), (2) jardín(m. 庭), (3) niño(m. 子ども), (4) día(m. 日), (5) zapatos(m.pl. 靴)
形容詞の語形変化
- 修飾する名詞が複数形なら形容詞も複数形にする。
- 複数形の作り方は名詞と同じ。
- 直接修飾する場合も、動詞を介して修飾・説明する場合も同様。
- -o で終わる語は、さらに、性も語尾変化させ名詞と一致させる。(男性 -o 女性 -a)
- -o 以外で終わっていても国名や民族名形容詞の多くは性の語尾変化もある。名詞としてもよく使われる。
- 他に派生語尾がついて形容詞となったもので男女の形があるものがある。
hablador, -ra(おしゃべりの < hablar 話す), preguntón, -na(質問好きの < preguntar 質問する), grandote, -ta(おっきい < grande 大きい)
(例) revista (f. 雑誌), interesante (a. 興味深い), (1) banco (m. 銀行、ベンチ), grande (a. 大きい), (2) lección (f. 授業、課), fácil (a. 易しい), (3) señora (f. 婦人), rico (a. 金持ちの), (4) hotel (m. ホテル), económico (a. 経済的な), (5) universidad (f. 大学), español (a. スペインの)
[問題の解説] p.8-p.9
「〜形容詞」と名がついているので、他の形容詞と同じく、それぞれ指示する名詞の数、性にあわせて語形が決まっている。指示代名詞にはアクセント符号を付けて、指示形容詞と区別される。指し示す名詞の性数に応じた語形を使う。este(この) : éste(これ)
I. (例) clase (f. クラス、学級), (1) sombrero (m. 帽子), (2) libro (m. 本), (3) camisa (f. シャツ), (4) mesa (f. テーブル), (5) asiento (m. 席)
II. (例) mesa (f. テーブル), (1) vestido (m. 服), (2) hotel (m. ホテル), (3) libro (m. 本), revista (f. 雑誌), (4) vino (m. ワイン), (5) iglesia (f. 教会), torre (f. 塔)
I. 所有形容詞
- 「〜形容詞」と名がついているので、他の形容詞と同じく、それぞれ関係する名詞の性数によって形容詞と同じ語尾変化する。すなわち -o で終わる語(mío, tuyo, suyo, nuestro, vuestro)は、性・数変化、それ以外 (mi, tu, su) は、数変化する。
- 名詞の前で、mi, tu, su, nuestro, vuestro という語形を使う。
- 冠詞、数詞、指示形容詞が名詞の前にあると、名詞の後で、mío, tuyo, suyo, nuestro, vuestro の語形を使う。
- mío, tuyo, suyo, nuestro, vuestro の語形は、動詞 ser と使って、「--は?(誰々)のです。」
I. (例)primo(m. いとこ), (1) abuelos (m.pl. 祖父母), (2) casa (f. 家), (3) tren (m. 列車), (4) hermano (m. 兄 / 弟), (5) amiga (f. (女)友達)
II.所有代名詞
- mío, tuyo, suyo, nuestro, vuestro の語形の前に定冠詞を置き、「〜のもの」の意味で使う。
- el mío, la mía, los míos, las mías: 「私のもの」
- el tuyo, la tuya, los tuyos, las tuyas: 「あなたのもの」「君のもの」
- el suyo, la suya, los suyos, las suyas: 「彼(女)(ら)のもの」「あなた(方)のもの」
- el nuestro, la nuestra, los nuestros, las nuestras: 「私たちのもの」
- el vuestro, la vuestra, los vuestros, las vuestras: 「あなたたちのもの」「君たちのもの」
これらは、所有されるものの性・数によって使う語形が決まる。
II. (例) libro (m. 本), (1) amigo (m. 友達), (2) familia (f. 家族), Daniel (ダニエル、男性の名), (3) universidad (f. 大学), (4) proyecto (m. 計画), (5) profesora (f. 先生), Sala (サラ、姓)
[問題の解説] p.10-p.11
- a
- a +場所:「〜へ」、目的地を表す。Voy a la estación. 私は駅へ行く。
- a +人:「〜に」、間接目的語(?に)。Escribe una carta a su padre. 彼は自分の父親へ一通の手紙を書く。
- a +人:「〜を」、直接目的語(誰々を)が特定の人の場合、前置詞aが必要。物の場合は不要。Buscan a su hijo. 彼らは自分たちの息子を捜している。 Buscan su maleta. 彼らは自分たちのスーツケースを探している。
- すぐ後ろに男性単数定冠詞がくると、alという語形になる。Van al parque. 彼らは公園へ行く。
- con 「〜と一緒に」 Vamos al parque con nuestro perro. 私たちは私たちの犬と公園へ行く。
- de
- de +〜:「〜の」 所有、所属、材料などを表す。 Esta casa es de mi tío. この家は私の叔父のです。
- de +場所:「〜出身」、「〜から」 Soy de Sevilla. 私はセビリャ出身です。
- すぐ後ろに男性単数定冠詞がくると、delという語形になる。 Este libro es del profesor. この本は先生のです。
- en 「〜で、〜に」 Estudiamos en esta biblioteca. 私たちは、この図書館で勉強します。Estoy en la estación. 私は駅にいます。
- para 「〜のために」「〜にとって」 Mi abuela trabaja mucho para nosotros. 祖母は私たちのためにおおいに働く。
- 他にもpor「〜によって」「〜のあたりを」、sobre「〜の上に」、bajo「〜の下に」、sin「〜なしに」、según「〜によって」、menos「〜を除いて」、desde「〜から」、hasta「〜まで」、hacia「〜に向けて」、entre「〜の間に」、durante「〜の間」などがある。
- 人称代名詞直接目的格me, te, lo(スペインではle), la, nos, os, los, las は、活用した動詞の前に置く。
- 否定文では、さらにその前に no が来る。
- usted, ustedesは、話し相手を意味するが、いつも三人称の代名詞(lo / le, la, los, las)を使う。
- 直接目的語は、「〜を」といった意味を持つ。
- (日本語動詞との違いで「〜に」と訳す場合もある。
No veo a Teresa. 私はテレサに会わない。)
- 人称代名詞間接目的格me, te, le, nos, os, les は、活用した動詞の前に置く。
- 否定文では、さらにその前に no が来る。
- usted, ustedesは、話し相手を意味するが、いつも三人称の代名詞(le, les)を使う。
- 間接目的語は、「〜に」「〜へ」などと訳し、
- 動詞の動作の方向、対象を表す。
Mi padre me da un regalo. 父は私に贈り物をくれる。
- 動詞の行為の影響を受ける人物を表す
La madre le lava la cara a su hijo. そのお母さんは子どもの顔を洗ってやる。(le「彼に」と a su hijo「子どもに」とは重複して表現されている)
- 分離の元を表す。Compro el libro a mi amigo. 私は友達からその本を買う。
[問題の解説] p.12-p.13
- 間接目的格代名詞と直接目的格代名詞の両方を一文で使うときは、間接+直接の順番で使う。動詞の前でも、不定詞につけた時も同様。
El señor me lo da. その男の人は私にそれをくれる。
El señor quiere dármelo. その男の人はそれを私にくれたがっている。
- 間接目的格代名詞と直接目的格代名詞の両方が3人称の場合、間接目的格は、se という語形になる。
El profesor se las manda. 先生は彼にそれらを送る。
El profesor quiere mandárselas. 先生は彼にそれらを送りたがっている。
- 人称代名詞は前置詞a, ante, bajo, con, contra, de, desde, en, hacia, hasta, para, por, sin, sobre, trasなどの後ろで、前置詞格という形mí, ti, usted, él, ella, nosotros, nosotras, vosotros, vosotras, ustedes, ellos, ellas, sí を使う。
- 位置的に前置詞の後ろにあっても、いつも前置詞格とは限らない。
- 1) una silla para mí, 私のための椅子
- 2) una silla para mi padre 私の父のための椅子
前置詞 para「〜のための」の後ろで、 1)では mí, が前置詞格、 2)では mi と padre 両方で一つの要素となって前置詞格であり、 mi は所有形容詞。
- 前置詞でも、次のものの後ろでは人称代名詞は前置詞格ではなく、主格が使われる。
entre(再帰代名詞は前置詞格:sí), según
「再帰代名詞」とは、主語として現れた人・物が同一文中に目的語として再び帰ってきたものを表す代名詞だから、主語と同じ人称、数の語形を使う。
主語 | yo | tú | nosotros, nosotras | vosotros, vosotras | usted, ustedes, él, ella, ellos, ellas, 3人称名詞句 |
再帰代名詞 目的格 | me | te | nos | os | se |
- 中南米では、vosotros, vosotrasを使わないので、osも使わない。
- アルゼンチンなどで主語にvosを使う時の再帰代名詞はteを使う。
- 再帰代名詞には、目的格の他に、前置詞格sí, 前置詞conとの融合形consigoがある。
Volver a la portada