『スペイン語文法項目別ドリル問題集』補足
堀田英夫

第1章 文字と発音

[問題の解説] p.2-p.3

1-1 [アルファベット]

 アルファベット読みは、外国人の名前を聞いて書き取るため、あるいは自分の名を書き取ってもらうために知っている必要がある。I.の練習は、文字の名を言えることを要求しているだけではあるが、それぞれ略号として意味があるので、代表的な意味を書いておく。

I.
(例) FM = FM放送。Frecuencia Modulada、英語Frequency modulation「周波数変調」の略号でもあり、Modulación de Frecuencia とも言う。
(1) abc = abecéと綴った名詞があり、アルファベットやある学問分野の基礎を意味する。大文字ABCで(スペインの)新聞名、インターネット上ではabcと表示している。マドリード市で1905年に創刊され現在まで続いている。
(2) PP = Partido Popular、国民党。スペインの政党の名。1996年以来、与党の地位を占める。
(3) UE = Unión Europea、欧州連合。1993年11月1日にEC(欧州共同体)を元にEUが正式発足。
(4) DF = Distrito Federal、(メキシコの)連邦地区。メキシコ市。連邦政府直轄地区でメキシコ合州国の首都。
(5) UGT = Unión General de Trabajadores、(スペインの)労働者総同盟。全国規模の二大労働組合の一つ。

1-2 [発音]

I.
(例) burro(m. ロバ), vaca(f. ウシ), nada(何も?ない), papel(m. 紙)
(1) tierra (f. 土地), cara(f. 顔), radio(f. ラジオ), sala(f. 広間)
(2) general(a. 全般的な), fecha(f. 日付), guerra(f. 戦争), traje(m. 服)
(3) 文字uは、gue, gui, que, quiの時、ウの発音にはならず、前の子音が[g]、[k]の音であることを示す働きをしている。lengua(f. 言語、舌), cuatro(四), guitarra(f. ギター), pequeño(a. 小さい)
(4) cena(f. 夕食), nariz(f. 鼻), lección(f. 授業、課), leche(f. ミルク)
(5) ahora(今), trabajo(m. 仕事), afortunado(a. 幸運な), bacalao(m. タラ、鱈)

1-3 [アクセント]

(4)cambio, (10)graciasの語末のio, iaは一つの母音=音節と数える。

 catorce(十四), zapatos(m. 靴), amor(m. 愛), página(f. ページ), cambio(m. 交換、変化), papel(m. 紙), ciudad(f. 都市), restaurante(m. レストラン), joven(a. 若い), derecho(a. まっすぐな、右の), gracias(ありがとう)

1-4 [音節]

 発音し得る最少単位は音節であり、ひとつの音節はひとかたまりに発音され、筆記の場合一つの単語の途中で改行するなら、音節の区切りで改行しなければならないため、音節の分かれ目を知っている必要がある。

  1. 1つの母音が1つの音節の核となる。
  2. 母音間に子音が1つある時は後ろの母音の音節につく。
  3. 子音が2つある時は、1つは前、1つは後の音節につく。
  4. 子音が3つある時は、2つは前、1つは後の音節につく。
  5. ただし、二重子音: pl, pr, bl, br, fl, fr, tr, dr, cl, cr, gl, gr, メキシコでナワトル語起源語のtl、およびアクセント符号のついていないi, uともう一つ以上の母音が並んだ二重母音、三重母音は、それぞれ一つの子音、一つの母音と数える。
  6. 接頭辞がある語や合成語は、筆記上構成要素の間で音節の区切りとすることもある。

 problema(m. 問題), domingo(m. 日曜日), martes(m. 火曜日), instantáneo(a. 即席の), completo(a. 完全な), madre(f. 母親)


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